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勃起のメカニズムとは?勃起障害(ED)や射精との違いについても詳細解説

最近前よりうまく勃起しない気がする……そもそも勃起ってなぜ起きるの?する時としない時の違いは何?そんな疑問を解消しましょう!今回は勃起の仕組みを詳しく解説します。射精との違いや勃起障害(ED)の原因にも触れますので参考にしてみてくださいね。

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勃起とは

勃起とは性的興奮や外的刺激により陰茎(ペニス)が膨張し、硬くなることです。
勃起に至る最初のきっかけは性的興奮と思っている人も多いかもしれませんが、陰部が外気温にさらされたり、ぶつけたりする外的刺激も引き金のひとつです。
脳は勃起に関連する刺激を受けると血流を増大させるシグナルを陰茎に送ります。
シグナルにより陰茎に血液が集まると、陰茎を構成している海綿体が流れ込んだ血液によってふくらみます。この状態が「勃起」です。
海綿体はスポンジ状なので血液が流れ込むことで大きく膨張するのです。
刺激がなくなり、血液が体内に返っていくと膨張、つまり勃起は収まります。

勃起の仕組み(メカニズム)

勃起のメカニズムについてより詳しくみていきましょう。大きく4つのステップを経て勃起は完成します。

1. 脳・せき髄を通して勃起神経に命令が伝わる
2. 陰茎に一酸化窒素が放出され血流が増す
3. 陰茎の海綿体に流入する血液が増大する
4. 陰茎の海綿体が膨張する(勃起)

1. 脳・せき髄を通して勃起神経に命令が伝わる

性的興奮や陰茎への外的刺激が脳やせき髄に伝わると、それらを通して勃起神経が反応します。この勃起神経が最終的に勃起へつながる一連の働きを体に命じます。最終的には勃起神経から副交感神経である骨盤神経を介して命令が伝わります。

2. 陰茎に一酸化窒素が放出され血流が増す

陰茎にシグナルが伝わると陰茎海綿体の細胞の動きが活発になり、一酸化炭素が生産されます。一酸化酸素には血管を広げ、血流を増やす働きがあります。この働きによって陰茎の平滑筋という筋肉が弛緩し、血管が広がって血流が増えます。

3. 陰茎の海綿体に流入する血液が増大する

陰茎の海綿体に血流の増大にしたがって増えた血液が流れ込みます。海綿体は無数の細い血管が集まったスポンジ状の器官です。この血管に血液がどんどん流れ込み膨らんでいきます。

4. 陰茎の海綿体が膨張する(勃起)

陰茎海綿体が血液によって脹らむと、海綿体を覆っている白膜という硬い膜も広がります。通常時は血液の出口である陰茎内の静脈が陰茎海綿体と白膜の間に圧縮され、血液が出ていかなくなります。血液がたまるだけになり膨張しきった状態で「勃起」が完成します。

朝勃ちの仕組み
特に性的な夢をみたり、刺激したわけでもないのに勃起する「朝立ち」。これは睡眠のサイクルのひとつ「レム睡眠」時に起こる現象です。
「レム睡眠」とは体は休んでいて脳は覚醒している状態です。1度の睡眠中に、体も脳も眠っている「ノンレム睡眠」と交互に訪れます。レム睡眠中は脳の働きにより自律神経が活発化するので脈拍や呼吸の変化が起こります。勃起もこの変化の一部です。目覚める直前の最後のレム睡眠時に起こる勃起が「朝勃ち」と呼ばれます。

勃起と射精の違い

勃起は膣内に射精するのに都合のよい現象であり、一般的には勃起のあとに射精が起こります。また、性的興奮がステップの引き金になることは共通しています。そのため勃起と射精は一連の反応であると思っている人も多いのではないでしょうか。しかし実は、勃起と射精は体内で起こっているメカニズムが異なります。
勃起が血流の増大によって起きる現象であるのに対し、射精は生殖器(精のう、前立腺、精巣上体、精管)や膀胱頸部や周辺筋肉の収縮によって起こります。
ですから勃起せずに射精することもありますし、勃起はするが射精ができない(射精障害)ということもあり得ます。

射精の仕組み

1. 性的興奮が高まり精子が精管へ送られる
2. 精管から分泌液と精子が混ざった精液が前立腺に送られる
3. 精液が膀胱の方へ逆流しないよう膀胱頸部が閉じる
4. 精液が尿道へ押し出され、尿道より外部へ排出される

勃起は副交感神経が優位に働いている状態で起こりますが、射精は交感神経を通じて起こる現象です。交感神経によって周辺の器官や筋肉が収縮し、精液が精のうから排出されるのです。勃起は体がリラックスした状態で起こる現象であり、射精は興奮状態で起こる現象とも言えるでしょう。

勃起障害(ED)とは

原発性EDこれまでに一度も勃起したことがない、または一度も勃起を維持できない
続発性ED以前は勃起していたができなくなった、維持できなくなった

勃起障害(ED)とはさまざまな原因から勃起ができなくなる状態です。一度も勃起をしたことがないか、かつてはできていたかで原発性EDと続発性EDにわけられます。多くの人が続発性EDの方に該当するでしょう。

続発性EDは、常にできない状態のほか、中折れなど必要時に勃起が継続できない状態を指す場合もあります。

どちらのEDも最終的には何らかの原因で陰茎(陰茎の海綿体)へ流れ込む血流が滞っていることから起こります。

勃起障害(ED)のチェック方法

勃起を維持する自信の程度はどのくらいか
【1点】非常に低い
【2点】低い
【3点】普通
【4点】高い
【5点】非常に高い

性的刺激による勃起の際、どのくらいの頻度で挿入可能な硬さになったか
【0点】性的刺激一度も無し
【1点】全く無しまたはほとんど無し
【2点】たまに
【3点】時々(半分くらい)
【4点】おおかた毎回
【5点】毎回またはほぼ毎回

性交中、挿入後どのくらいの頻度で勃起を維持できたか
【0点】性交の試み一度も無し
【1点】全く無しまたはほとんど無し
【2点】たまに
【3点】時々(半分くらい)
【4点】おおかた毎回
【5点】毎回またはほぼ毎回

性交中、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難だったか
【0点】性的刺激一度も無し
【1点】ほとんど困難
【2点】かなり困難
【3点】困難
【4点】やや困難
【5点】困難でない

性交を試みた際、どのくらいの頻度で満足できたか
【0点】性交の試み一度も無し
【1点】全く無しまたはほとんど無し
【2点】たまに(半分よりかなり下回る)
【3点】時々(半分くらい)
【4点】おおかた毎回(半分よりかなり上回る)
【5点】毎回またはほぼ毎回

これは国際勃起機能スコア5(IIEF-5)という世界的な判断基準によるチェックリストです。
最近6か月の状態を各項目0~5点の6段階で得点をつけます。合計の点数が少ないほど勃起障害が起きていると判断されます。
ただし、あくまでも自己判断なので正確な判断は専門医に相談の上くだしましょう。

勃起障害(ED)の原因

器質的ED機能的ED(心因性ED)薬剤性ED
・加齢
・高血圧
・喫煙
・糖尿病
・神経疾患
・ストレス
・うつ病
・統合失調症
・アルコール依存症
・抗うつ薬
・前立腺肥大症治療薬
など

勃起障害(ED)は最終的に陰茎海綿体への血流や血液の増大が阻害されることで起こります。しかし血流や血液の増大が阻害される原因はさまざまです。原因は主に器質的ED、機能的ED(心因性ED)、薬剤性EDに分類されます。それぞれの原因が混合して影響していることもあります。

器質的ED

勃起に関わる神経や血管が損傷あるいは機能が低下していることが原因で起こるEDです。糖尿病や高血圧、神経疾患などの病気や加齢や喫煙による血流の低下などがあげられます。病気であれば治療を行うことがそのままEDの治療にもつながります。また、ED治療薬の効果が大きく期待される分類のEDでもあります。ただし、病気を治療する薬とED治療薬の飲み合わせには注意が必要です。必ず専門医に相談しましょう。

機能的ED(心因性ED)

精神的、心理的なことが原因でおこるEDです。性行為や日常生活でのストレス、うつ病、統合失調症などの精神疾患もここに入ります。朝立ちやマスターベーションはできるのに性交中に勃起できない、中折れするなどの場合はこの機能的EDの可能性が高いとされています。治療は心理療法などのほか、ED治療薬も良い結果がでることも多いようです。薬を飲んでいるという自信が気持ちを前向きにします。

精神疾患の場合は、治療薬が薬剤性EDの原因になる可能性もあるので治療時に主治医としっかり相談しましょう。

薬剤性ED

薬剤性EDとは特定の薬剤を使用することで起こるEDです。抗うつ剤や前立腺肥大症治療薬などの一部には性欲減退が認められるものがあります。降圧剤の副作用の一部が勃起に悪影響であるという報告もあります。薬剤の使用を中止すれば薬剤性EDは収まると考えられますが、病気の治療で飲んでいる薬剤を自己判断で中止してはいけません。必ず主治医と相談しましょう。

勃起に関するその他の疾患

勃起障害(ED)以外にも、勃起に関わる疾患は存在します。ここでは代表的なものを解説します。

疾患症状
持続勃起症(プリアピズム)血流の異常により疼痛を伴う異常な勃起が持続する
陰茎形成性硬結症(ペロニー病)勃起時に異常な陰茎の変形や痛みを伴い、性行為においては挿入が不可能になる

上記の疾患はすべて医師の診断と治療が必要です。特に嵌頓包茎は緊急に処置を行う必要がある疾患です。適切な処置が行われないとめくれた包皮が陰茎をしめつけ、陰茎組織が破壊される可能性があります。

勃起時の形がいつもと違う、勃起に痛みを伴うなどの症状が現れた場合は至急専門医に相談しましょう。

勃起の仕組みを正しく知ってどこに問題があるか考えよう

勃起は簡単に言うと血流の増大により陰茎が膨らみ硬くなる現象です。しかしその仕組みは脳、神経、血管などさまざまな器官の働きがかみ合って起きる複雑で繊細なものです。勃起障害(ED)の原因もさまざま。自身の勃起について心配なことがあれば、まず専門医に相談してみましょう。あわせて血流を良くし、自律神経を整える日常生活を送ることが大切です。質の良い睡眠、適度な運動、ストレスの少ない生活を目指しましょう。バランスのとれた食事も重要です。食事でとりにくい栄養はサプリなどで補うのもよいですね。

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