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デリケートゾーンの臭いケアについて|原因や正しい洗い方などを詳しく解説

デリケートゾーンの臭いケアについて|原因や正しい洗い方などを詳しく解説

デリケートゾーンの臭いは、なかなか自分では気づけなかったり、気になっていても人に相談しにくかったりする問題です。臭いを消すのにどんな石鹸や消臭アイテムを使ったらよいのかも、迷ってしまうものですよね。このページでは、デリケートゾーンの臭いの原因から、正しい洗い方・ケアの仕方をご紹介していきます。月経時の経血やおりものの臭いで悩んでいる方はもちろん、臭いケアを始めたい方、今のケア方法で合っているのか、正しいケアを知りたい方にもおすすめです。

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デリケートゾーンの臭いの原因とは

  • 雑菌の繁殖
  • すそわきがによる臭い
  • パートナーとの性交渉

デリケートゾーンは、下着やストッキングなどの締め付けで刺激を受けやすい場所です。また、月経時に着けるナプキンや、高齢の方の尿漏れパッドからも、蒸れや擦れが生まれます。経血の臭いや、おりものの臭いで不快な思いをした、という人も多いのではないでしょうか。ここでは、デリケートゾーンの臭いの原因を見ていきましょう。

雑菌の繁殖

デリケートゾーンは角質が他の皮膚と比べ少なく、層が薄くなっています。そのため、皮膚炎を起こしやすい場所です。またデリケートゾーンには常在菌という膣内を守る菌が存在します。しかしおりものや常在菌が汗や皮脂と混ざると、酸化を起こして雑菌が繁殖し、臭いの元となります。

ちなみに月経中も経血が空気に触れて酸化するため、雑菌が繁殖しやすい時期です。

すそわきがによる臭い

外陰部からわきがのような臭いがする症状を「すそわきが」と呼びます。わきがの原因はアポクリン腺という汗の細胞の働きによるものです。アポクリン腺はわきだけでなく、耳、乳輪周り、外陰部にあるため、デリケートゾーンの臭いのもとにもなります。汗をかきやすい体質だったり、家族にわきがの人がいたりする場合、「すそわきが」が起こる可能性があります。上記に当てはまる場合は「すそわきが」の可能性も考えてみましょう。

パートナーとの性交渉

細菌性腟症は、腟内細菌叢の乱れにより起こるとされ、繁殖した雑菌が上行した場合、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などが起こるとされている。特に、妊娠中の細菌性腟症は、切迫流産・切迫早産から流産・早産を引き起こす一因とされる。

引用:厚生労働省「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書(案) メトロニタダゾール 細菌性腟症の効能追加」

細菌性膣症がデリケートゾーンの臭いの原因になっていることもあります。
細菌性膣症はパートナーとの性交渉も原因となって起こります。普段膣内を守っている乳酸菌が減少し、アルカリ性の精液の侵入によって膣内の環境が乱れ、炎症が起きることで臭いが発生します。
厚生労働省の見解によれば、細菌性膣症が妊娠中に起こると、切迫流産や切迫早産の原因になる可能性もあると考えられています。妊娠を希望しない場合の性交渉時は避妊を行い、細菌性膣症を防ぎましょう。

デリケートゾーンの臭いケア・対策6選

デリケートゾーンにおける臭いケアの方法
  • 生活習慣を見直す
  • 臭いがきつくなる食べ物を避ける
  • こまめにナプキンを取り替える
  • 通気性の良い下着を選ぶ
  • 専用の石鹸で清潔な状態を維持する
  • 携帯用の消臭アイテムでこまめにケアする

デリケートゾーンの臭いをケアするのには、いくつかの対策があります。皮膚が薄く、刺激を受けやすい場所のため、体の中・外の両方からケアしてあげることが大切です。ここでは、6つの対策について見ていきましょう。

生活習慣を見直す

膣には自浄作用が備わっています。しかし、過度なストレスや睡眠不足が続くと、自浄作用が弱まり、臭いのもととなる雑菌を防げなくなってしまいます。自浄作用を維持するためにも、十分な睡眠や適度な運動を取り入れ、規則正しい生活を心がけましょう。

臭いがきつくなる食べ物を避ける

肉や油の多い食事を摂りすぎると、デリケートゾーンに存在するアポクリン腺から出る汗の臭いが強くなります。野菜や海藻類を適度に取り入れ、バランスの良い食生活を心がけましょう。

こまめにナプキンを取り替える

月経中、長い時間同じナプキンをしていると、経血が酸化し、雑菌が増えて臭いが強くなります。月経中はこまめに取り替えて、臭いを防ぎましょう。香り付きのナプキンや、臭いをおさえるナプキンを着用するのも有効です。

通気性の良い下着を選ぶ

デリケートゾーンは常に下着が密着していて、蒸れや擦れによる肌の炎症が起きやすい場所です。アクリルやポリエステルといった化学繊維よりも、コットンやシルクを使った肌に優しい通気性に優れた下着を選ぶと、臭いの発生をおさえられます。

専用の石鹸で清潔な状態を維持する

私たちが体を洗う時に使うボディソープは、デリケートゾーンのように刺激の弱い場所には洗浄力が強すぎます。そのまま使うと、常在菌のバランスを崩してしまうことも。デリケートゾーン専用の臭いを取り除く作用や、保湿成分のある石鹸を使いましょう。

携帯用の消臭アイテムでこまめにケアする

外出先でトイレに入った際などにおすすめなのが、携帯用の消臭アイテムを使うことです。ティッシュに吹きかけて使う消臭スプレーや、消臭成分を含んだウェットシートを使うことで、デリケートゾーンの臭いをおさえられます。

デリケートゾーンの正しい洗い方

デリケートゾーンの正しい洗い方
STEP.1デリケートゾーン専用の洗浄剤を用意する
STEP.2外陰部をしっかりみて指の腹で洗う
STEP.3洗浄剤を洗い流す
STEP.4水分を抑え、必要な場合は保湿ケアまで行う

デリケートゾーンは皮膚が薄く、刺激に弱い場所です。スポンジやタオルでゴシゴシ洗ったり、洗浄力の高い体用のボディソープを使ったりすることは避けましょう。また、尿や便、おりものや経血といった分泌物が付きやすく、汚れやすい場所でもあるため、洗うのが足りないのも問題です。そのため、デリケートゾーンに適した洗い方で、清潔な状態を保ってあげましょう。

デリケートゾーン専用の洗浄剤を用意する

デリケートゾーンは優しく洗うことが大切なので、泡立てて使う固形石鹸タイプや、もとから泡で出てくる洗浄剤を選ぶとよいです。また、刺激を与えすぎないためにも「弱酸性」の成分のものがおすすめです。デリケートゾーンの臭いだけでなく、黒ずみも気になる人は「ジャムウ」が含まれている洗浄剤を選ぶと、両方のケアができます。月経中など、経血の臭いがひどく気になる時は、香りのついた洗浄剤を選ぶと臭いが緩和されます。

外陰部をしっかり見て優しく洗う

お風呂に入った際、外陰部をしっかり見ながら洗いましょう。専用の洗浄剤を丁寧に泡立てて、指の腹に取り、ひだの奥まで泡が行き渡るようにします。少し足を開いた体勢をとると、洗いやすくなります。「毛が邪魔をして上手く洗いにくい」、という人はVIO脱毛をするのも手です。膣の内部には常在菌がいるので、自浄作用を弱めないためにも、膣内には洗浄剤は入れないように気を付けましょう。あくまで外陰部を丁寧に洗うことが大切です。

洗浄剤を洗い流す

洗い流す際には、お湯の温度と勢いに気を付けましょう。シャワーの温度が熱すぎると、皮膚の上に残った皮脂まで洗い流してしまい、乾燥の原因となります。また、お湯の勢いが強いと皮膚にその分強い刺激が与えられます。人肌程度のぬるま湯で洗いましょう。この時洗い残しがあると、おりものなどの分泌物と混ざって臭いのもととなってしまいます。洗浄剤が肌に残らないように流していきましょう。

水分を抑え、必要な場合は保湿ケアまで行う

洗い流した後は、水分を拭きとります。この時、タオルでゴシゴシとこすらないようにしましょう。摩擦による刺激を避け、押し当てるようにして乾かします。この後、皮膚が弱い人や乾燥が気になる人は、デリケートゾーン専用の保湿剤を使いましょう。膣内を守ってくれる乳酸菌が含まれた保湿剤がおすすめです。水分をとったデリケートゾーンに、優しく塗っていきましょう。

対処法を試したけど……デリケートゾーンの臭いが取れない場合、どうする?

病気の恐れがあるため、医療機関を受診しましょう

臭いの対策をしたけれど、今ひとつ効果が感じられない時は、いくつかの原因が考えられます。月経中やその後は、通常のおりものでも少し臭いが強く感じられる傾向にあります。また、加齢によって臭いがきつくなることもあります。
これは年齢と共に女性ホルモンが減少し肌や粘膜のうるおいを守る力が弱まるからです。これらの場合は、周期や年齢によって一時的に臭いが強くなっているだけです。ただし、魚が腐ったような臭いの場合は、ガードネレラという雑菌が増えていたり、腟内に異物が入っていたりする可能性があります。

またおりものの臭いが強い状態が長く続いたり、おりものの色がいつもと違ったり……、といった症状が見られた場合も、医療機関を受診した方がよいでしょう。自分では判断がつかない時は、お近くの婦人科に相談しましょう。

臭いの原因を理解し、適切な方法で優しくケアを

ここまで、デリケートゾーンの臭いの原因と対策、正しい洗い方などを見てきました。
人にはなかなかケア方法を聞きにくい場所ですが、自己判断で行うと、刺激を与えてしまい、臭いが悪化してしまう場合も。

睡眠や食事など、一見無関係に思える要素も、臭いのもとになっているので、自分でできるケアを生活の中に取り入れてみてください。適切な方法でケアすることで、デリケートゾーンの臭いをおさえ、快適に過ごしましょう。